治験とは?

 

治験(臨床試験)とは?

治験ってなんだろう?

お薬の候補が医薬品として認められるために、お薬としての効果と安全性を調べる試験のことを「治験」といいます。治験ボランティアは、会社員・OL・自営業・主婦・学生・定年後の方など皆様のご参加で多くの人々が救われる、身近でとても社会貢献度の高いボランティアです。

どんな人が参加できるの?

参加される方の健康度によって対象となる治験のタイプが異なります。 健康な方から患者さんまでご参加いただけます。
健康な人 (病気がない人) 新しいお薬・ジェネリック医薬品の安全性試験 (入院タイプ)
予備軍 (治療までは必要ない人) 健康食品・サプリメントのモニター
患者さん (治療が必要な人) 新しいお薬の効果を確認する試験 (通院タイプ)

治験参加の基本条件

参加条件は実は試験ごとに大変細かく設定されております。 電話問診時に参加をお断りするケースもありますのでご了承下さい。 尚、試験一般の基準として下記の方は参加出来ません。
  1. 過去にの大きな手術歴(脳、心臓、消化器官、等)のある方
  2.  過去に精神科系の病院に受診歴のある方(カウンセリングのみも含む)
  3. 13歳以降の喘息またはアトピーの症状がある方
  4. 薬物アレルギー、食物アレルギーのある方
  5. タトゥーのある方(手の平大以上、複数箇所)
  6. 先天的異常のある方
  7. 現在、通院中・治療中の病気やケガのある方(歯科治療も含む 歯列矯正は要相談)
  8. 慢性的にヘルニア、偏頭痛のある方
  9. 普段お薬を使用している方(健常者試験の場合)
  10. 難聴の方
  11. 日中に電話連絡が取りづらい方(固定電話しか無い方)
  12. 3〜4ヶ月以内に治験、臨床試験、献血に参加した方
  13. 2親等以内に外国籍の方がいる方(ハーフ、クォーターの方)
  14. 募集対象外の地域にお住いの方【関東の治験】・東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬(一部)・栃木(一部)【九州の治験】・福岡・熊本・佐賀・山口・長崎以外の地域にお住いの方
  15. 治験をバイト、アルバイトなど副業と捉えている方

メリットとデメリット

■メリット
・新しい治療方法が受けられます。
・専門医師による診察とアドバイスが受けられます。
・定期的にご自身の健康状態をチェックできます。
・治験参加による負担を軽減する目的で、治験協力費(謝礼)が受け取れます。
■デメリット
・通院や検査のために時間の調整が必要になります。
・食事制限、運動制限等が必要になります。
・副作用の可能性を完全否定することはできませんが、万が一副作用が生じた場合は適切な治療と保証が受けられます。
・プラセボ(偽薬)の場合があります。

治験協力費(謝礼)

治験協力費(謝礼金)は、あくまで医学的なボランティア、モニターである皆さんを拘束している時間や守ってもらっている遵守事項、採血、採尿などによる身体的な負担を軽減する目的で支払われています。
<負担軽減費の算出概念>
宿泊型:1日あたり1.5万円〜2万円前後
参考例:2泊×2回   謝礼8万円
※時給換算した場合、およそ600~900円程度
通院型:1回通院 約1万円程
参考例:通院×10回  謝礼10万円
これに加え採血回数、交通費などが加味されます。

治験の役割について

新薬は、研究者や医師の力だけで世の中に送り出されると感じている方も多いのではないでしょうか。 新薬開発には、治験に参加される方と医師との間で築く関係性こそが、新薬開発の基礎になります。そして、新薬開発の中で有効性と安全性を確認するためには、患者さんをはじめとした多くの方の理解と協力をいただく「治験」が最も重要です。

新薬ができるまで

新薬の開発は以下の手順で行われ世の中で提供されます。
①基礎研究
研究室での度重なる実験を通じて、数多くの新規化合物の中から、新しい薬の可能性があると判断されるものを徹底的に選別していきます。
②非臨床試験
「新しい薬の可能性」があると選別された新規化合物の効果と安全性を動物(マウス等)で調べて効果を測定していきます。
③臨床治験(治験)
動物実験を通して効果と安全性が確認されたものだけが「新しい薬の候補」となり、人間による本格的な臨床試験に入ります(治験にも通常3つの段階があります。)
④「新薬」誕生
ヒトによる治験を繰り返すことでデータを蓄積し、効果と安全性が確認されたものだけが、厚生労働省に承認され、新薬として世の中へ提供されます。

治験のステップ

治験では3つのステップを踏んで、各段階での効き目(有効性)や副作用(安全性)を確認しながら慎重に進めていきます。
■第1層試験
少人数の健康な方(治験ボランティア)に新薬の候補を実際に使用して頂き、有効性・安全性を細かく確認します。
■第2層試験
第1層試験と同様、少人数の患者さんに治験薬を使用していただき、用法・用量の検討、対象疾患の治験効果や安全性を確認して詳細なデータを蓄積します。
■第3層試験
第1層、第2層とは違い、多くの患者さんに治験薬を使用して頂き、用法・用量の検討、対象疾患の治験効果や安全性を確認します。
■製造販売後臨床試験
3つのステップの後は、更に多数の罹患者へ長期間における有効性、安全性の検討を行います。

厚生労働省の審査・承認

治験で得られた様々なデータが薬の有効性・安全性を信用するに足りうるか、世の中に送り出しても問題無いかを厚生労働省が審査します。更に踏み込んだお話をすると、文中で厚生労働省としていますが、実際は医薬品医療機器総合機構といった独立行政法人が実務のほとんどを担当します。厚生労働省は最終承認を行うのがほとんどです。

プラセボ

人の体は不思議で、薬としての効果のないものでも、薬と信じて服用すると、その安心感から自然治癒力を引き出すことがあります。 このような効果を「プラセボ効果」といいます。 この「プラセボ効果」と「薬の候補」の効果を、公正かつ客観的に区別するために使われる偽薬のことをプラセボと言います。 治験では、有効成分を含まず、外見や味などで「薬の候補」と区別がつかないプラセボを用いて「薬の候補」と比較することがあります。

二重盲検比較試験

「薬の候補」かプラセボあるいは他の薬のどちらかを飲んでいただく際に、どちらを飲んだのか患者さんにも医師にも分からないようになっています。 この方法はどちらを飲んでいるか分かっていると、医師や患者さんの思い込みによって、効き目(有効性)や副作用(安全性)が公正かつ客観的に評価できなくなるのを防ぐために用いられている試験です。

治験と一般治療と治験の違い

治験と一般治療には3つの違いがあります。
■新しい治療の選択肢に、新しい薬をお使いになれます
新薬の治験に参加される場合、次世代の薬がお使いになれます。 今の薬の治療に満足がいかない方がご参加されるケースが多く見受けられます。
■自己負担が抑えられる
治験は自分の意志・決定で参加いただくボランティアです。また、病院までの交通費・薬代などの負担は 製薬メーカーなどから負担軽減費といった名目で支払われる協力費で相殺いただけますので無理なくご参加いただけます。
■社会貢献
次世代の薬を生み出すのにかかせない治験、治験の成功には皆様のご参加が絶対条件となっております。1人の参加が未来の薬を生んでゆき、将来自分や、子どもが使う薬となっていく。非常に強い社会貢献である事を認識いただければと思います。
メディカルベースメントへのボランティア登録、治験の参加は、強制ではありません。 また、登録、参加に際して、年会費や登録料が発生することもありません。 自由意志で参加できますので、ご安心下さい。
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