コロナ禍の時代に見る「コロナ・ハラスメント」の現状と対策
こんにちは、
秘書猫みーでございます!!
7月も目前に迫り、いよいよ開催が危ぶまれていた東京オリンピック開幕まであと僅かとなりつつある今日この頃。
新型コロナウィルスの感染者は下げ止まりの状況を見せる中、ここ最近は感染者に対する偏見、差別が深刻になっている傾向がより強まりつつあります。
その名はパワハラならぬ、
「コロナハラスメント」
ニュースなどで連日、感染者が増え続けていることが報じられる中で、もはや新型コロナウイルスは誰でも罹患する可能性があり、感染者が非難されるべきではありません。
また、
- 感染者の治療にあたっている医療関係者
- 感染者を支えている家族の方々
- 経済活動を維持するうえで不可欠な仕事に従事されている方々
このような境遇に直面している対しての差別的な言動が社会問題化しています。
そこで、今回は職場で働く人同士の間で起こる理不尽な差別や嫌がらせ、そして対策について簡単ではありますが取り上げていきたいと思います。
新型コロナウイルスがもたらした「コロナ・ハラスメント」
昨年4月~現在に至るまで、コロナの罹患者が広がる中、感染者やその家族、また医療関係者やその家族への偏見・差別が深刻になっています。
いくつか報告されている例を挙げさせて頂きましょう。
- 感染者の子どもが、学校でコロナのことでいじめられた
- 感染者が出ている学校の学生が、アルバイト先から不当な解雇を受けた
- 感染者のいる家に石が投げ込まれたり、壁に落書きされたりする被害があった。
- 医師らが感染した病院では、その病院で働く職員や家族がタクシーに乗車拒否された
- 親の感染に伴い、子どもの保育を拒否されたりした。
- コロナに罹患してから完治したのちも、勤務先へ復帰出来ていない
- 感染者が発生した地域で、嫌がらせのチラシが配られた
このようなにわかに信じられないような、数多くの差別、いや、もはや人権侵害とも言えるような事が実際に起きています。
日本では、感染症拡大を防ぐ方策として積極的にテレワークの導入が進められています。
しかしながら、テレワーク導入を推進できない職種・業種があるのも事実。
それ故に、事業を存続させるために工夫しながらも一部社員は出社している状況が多いのではないでしょうか。
不安や葛藤を抱えつつも出社し仕事をしている、その結果、不安やストレスがコロナハラスメントという形で他者に向かってしまう‥。
このような構図でコロナハラスメントが成り立ってしまうケースが後を立ちません。
コロナ禍の今、職場でおきていること
電車やバスなどの公共機関の中であれば、近くの人の様子に異変が感じられた場合、さり気なく自分から離れていくことで済むでしょう。
しかしながら、長い時間を共有する職場の場合はそうはいきません。
なんとなく気になりながらもお互い自己管理はしているという信用や、普段のその人との信頼関係をベースに仕事を続けるということになるのではないでしょうか。
そんな中で体調不良(風邪気味)でお休みし、回復して出社する方もいるでしょう。
最近耳にするのが、そういう方が本当の状況を知らない同僚から心無い言葉を投げられているという事実です。
「本当に風邪だったの?」
「もし、あなたから感染したらどうしてくれるのよ!」
といった感染を決めつけるような言い方や、露骨に接触を避けられるというようなことが起きています。
コロナハラスメントの背景にある感情とは
今回のコロナウイルスパンデミックは、人々にこれまで経験のない不安と恐怖、そしてこれまで経験のないほど長い時間の我慢を強いられており、安全安心という欲求が満たされない状況がおよそ2年近く続いています。
そして、抱えきれなくなった不安は怒りに転化、
結果、相手を攻撃してしまうという構図。
コロナハラスメントの背景にあるのはそういった人間の感情が大きいと言えます。
しかし、よく考えてみて下さい。
前述のように自分では大丈夫と思いながら出社したときに、まるで今感染しているかのようなあからさまな態度を取られたり、周囲から急に避けられたりしたらどんな心情になりますか?
これまで一緒に仕事をしてきた同僚からの思いもよらぬ理不尽な一言に大きなショックをうけ、今度は体調ではなく精神的に出社できなくなってしまうことも考えられます。
その状態が続くと抑うつ状態にもなりかねないどころか、最悪、会社を辞めなければいけないほど追い詰められる事すら考えられます
個人としてのコロハラ対策
もしコロナに罹患して回復して出社してきた人に不安を感じるのであれば、決して不安感をぶつけるのではなく、
「もしよかったら今の体調のこと教えてくれる?」
と自分の想いを配慮しながら伝え、相手が答えやすいように質問をしてみてはどうでしょう。
もしかすると相手も自分の状態を分かってもらいたいと思っている可能性もあります。あるいは、直接本人に聞くのが忍びないという場合であれば、上司などに聞いてみても良いと思います。
また、新型コロナウイルスの不安にさらされていることでいつのまにか気持ちに余裕がなくなり、いつもの自分よりもイライラしがちになったりしているかもしれません。
外出など様々な制限はありますが、”おうち時間”をうまく活用して、自分がリラックスできたり楽しめる時間を持つことを意識的に行うことも一つの解決方法になるかもしれません。
組織としての対策
もしコロナ感染が終息の方向性に向ったとしても、今後は濃厚接触者だった方、或いは感染から回復した方とも職場で一緒に仕事をしていくケースも増えてくるでしょう。
しかしながら、組織としてはその方たちに対するコロナハラスメントという二次被害を絶対に防がなくてはなりません。
基本的にはパワハラ対策と同様、以下の3つの対策が求められます。
- 組織の方針や社内でのルール決め
- 決定したルールを周知し徹底する
- 可能な範囲で職場で起きていることの情報を共有
上記の点を含め組織としてどういう対応を取っているかを明確にし、一緒に働く人たちに理解をしてもらうことです。
また、不安を相談できる体制も必要ではないでしょうか?
上司や人事の方が不安や不満を聴くこともあるでしょう。
今そういう気持ちになるのも当然ですので、思いを受け止めつつ会社の対応や取り組みをお伝えすることになるかと思います。
まとめ【冷静な判断と行動を】
感染が悪いことだという考えが広まれば、差別や偏見を恐れて医療機関への受診をためらい、症状の重篤化やさらなる感染拡大につながる可能性があります。
私たちは、このような未曽有の時代だからこそ、病気にかかった人たちとその周りにいる人たちを傷つけ、排除しすることの危険性に気付く必要があるのではないでしょうか。
私たちが向き合う相手は罹患してしまった職場の仲間ではありません。
あくまでウイルスです。
そのことを今一度再認識して、一人ひとりが冷静な行動と、できる限りの予防を心掛けたいものです。