【ボクシング漫遊記】井上尚弥の4団体制覇を目指すバンタム級最前線

【プロボクシング漫遊記】井上尚弥の4団体制覇を目指すバンタム級最前線

井上尚弥

ハロウィーンの夜(アメリカ時間)
ラスベガスに衝撃が走った。

その震源地はアメリカ、MGMグランド・ラスベガス。

言わずと知れたボクシングの聖地で、日本ボクシング史上 最高傑作と誉れ高い、WBA世界バンタム級スーパーチャンピオン&IBF世界バンタム級チャンピオン&リングマガジン認定世界バンタム級チャンピオンで、「ザ・リング」認定パウンドフォーパウンド2位の【井上尚弥】がまたも世界に驚きを与えた。

挑戦者は実力者のジェイソン・モロニ―。

コロナの影響で無観客試合の中、圧巻の試合運びで挑戦者をを7回にマットに沈めた。

井上にとって初のラスベガスというお披露目の舞台で、期待通りにモンスターっぷりを発揮。

モロニ―を膝から崩れさせたフィニッシュのノーモーションの右ストレートは、相手の顔が90度以上回っていたと感じさせるくらいの衝撃だった。

モロニ―はカウント7で立ち上がろうとするも、足にまったく力が入らずそのまま10カウントのゴングが鳴り響いた。

そのインパクトは業界関係者の井上に対する評価を更に高め、ひょとしたらPFP1位に昇り詰める可能性もはらんでいる。

野茂英雄、イチロー、中田英寿、著者的にはこの井上に関してはそれに並ぶ、いや超える存在になると大いなる期待をしないでいられない。

バンタム級4団体統一戦線

現在、主要2団体のベルトを保有している井上尚弥。

来年以降、井上をプロモートするトップランク社の最大限のサポートを受けて、目標に掲げる4団体統一の道のりが計画されるはずだ。

4団体統一となれば世界で5人目、
当然ながら日本人初となる。

そこで 今回は、井上が4団体制覇を目指す上での現時点でのバンタム級最前線をおさらいしてみようという企画をアップさせて頂いた。

プラスアルファ著者の勝手な未来予想もねじ込ませて頂いているのは、予めご容赦頂きたい(笑)

■バンタム級世界王者

  • WBAスーパー王者:井上尚弥(大橋)
  • WBA正規王者:ギジェルモ・リゴンドウ(キューバ)
  • WBC正規王者:ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)
  • IBF正規王者:井上尚弥(大橋)
  • WBO正規王者:ジョンリール・カシメロ(フィリピン)

以上が現時点でのバンダム級の世界王者の面々。

さて、ここから各団体の井上との王者統一戦が臨まれる各チャンピオンについて見ていこうと思う。

WBO世界バンタム級王者:ジョンリル・カシメロ

  • 戦績:34戦30勝(21KO)4敗 
  • 経歴:元WBO世界ライトフライ級暫定王者。元IBF世界ライトフライ級王者。元IBF世界フライ級王者。現WBO世界バンタム級王者。世界3階級制覇王者。

まずは今年4月に3団体統一戦の予定だった現WBO世界バンタム級チャンピオンのジョンリル・カシメロだ。

以前、実力的にもバンタム級で井上の一番の対抗馬として評価されていたゾラニ・テテを再三ダウンを奪いTKO勝利。世界3階級制覇となった。

そんなカシメロの大きな武器は予測不能の大振りフック。この大振りのフックが通常の軌道とは異なり、予測していない角度からパンチが飛んでくる。

前世界王者のテテとの一戦はこの典型ともいえるパターンで、カシメロのラフな大振りフックの目測を誤ったテテがモロにパンチを食らい続け、キャンバスに沈んだ。

カシメロはバンタム級に上げてからより破壊力を増し、現在は連続KO中。

しかし、攻守の全局面で井上が凌駕しているとの評価がボクシング識者から囁かれているだけに、いずれにしても「モンスター」に死角は見当たらない。

勝手な見解だが、早い段階でパンチを見切り、中盤でKOと予測する。

WBC世界バンタム級王者:ノルディーヌ・ウバーリ

  • 戦績:17戦 17勝 (12KO)無敗
  • 経歴:WBC世界バンタム級王者

昨年末、井上尚弥のアンダーカードで世界戦を戦った井上拓真を大差の判定で破り、WBC王座を統一したウバーリ。

フィジカルと老獪なテクニックが特徴でKOよりも最終的にポイントアウトして勝つパターンが多い印象。それだけに試合が地味で、本場アメリカでの知名度は殆ど皆無と言ってもいいだろう。

その現チャンピオンに近日中に挑戦者するのが兄:尚弥と年間最高試合に認定された際の相手であったレジェンド、ノニト・ドネアだ。

この世界戦に勝った方が井上との統一戦に名乗りを上げることが予想されているが、なんとドネアがスーパーフライ級に転向するという噂も。これはスーパーフライ級時代に強すぎて相手が逃げ続け、最終的には暫定チャンピオンのまま階級上げたことが心のしこりになっていると本人がコメントしている。

「出来ればロマゴン、もしくはエストラーダと戦いたい」とのコメントを聞くと、井上との再戦の可能性も危ぶまれそう。

しかし、ウバーリが勝てば井上との統一戦が既定路線だが、万が一負けてドネアが階級を変更すれば、チャンピオン空位となりWBCのベルトが遠のくかもしれない。

出来ればドネアとの再戦を見てみたいが、状況が難しくてもトップランク社総帥:ボブアラムがなんとかしてくれるはずた。

WBA世界バンタム級正規王者:ギレルモ・リゴンドウ

  • 戦績:22戦20勝(13KO)1敗1無効試合 
  • 経歴:シドニーオリンピック金メダリスト・アテネオリンピック金メダリスト・元WBA・WBO世界スーパーバンタム級スーパー王者。現WBA世界バンタム級王者。世界2階級制覇王者。

個人的に待望しているのが、元五輪金メダリスト、リゴンドウとの対戦だ。

数年前にワシル・ロマチェンコと無理くり試合を組み、最終的には試合放棄でTKO負けを喫してしまったものの、明らかに階級が違うため、本来の実力を出し切れなかったのが悔やまれる。

しかし、40歳になったとはいえ、かつての圧倒的な強さの印象はまだ残っているということだろう。アマチュアでもプロでも申し分のないキャリアを積んだあのリゴンドウに井上がどんな試合を見せるのかは実に興味深い。

ただ、チャンスでも深追いせず、見せ場をあえて作らない慎重なスタイルはボクシングファンからも塩試合に認定されることもしばしば‥。

カウンター狙いのディフェンシブなファイトスタイルに井上自身も苦戦予想も予想されるが、スピード、技術、反射神経という3つの優位性を示し、井上のKO勝ちを予想する。

モンスター対ジャッカルの新旧対決で井上が伝説のレジェンドを完膚なきまでKOし、その上でスーパーバンタムに転向してもらいたいものだ。

前WBC世界バンタム級王者:ルイス・ネリ

  • 戦績:31戦31勝(24KO)
  • 経歴:元WBC世界バンタム級王者

そして最後に賛否両論もあるが、あの山中慎介を体重超過やドーピングをフルに使い、日本が誇る名チャンピオンを引退させたルイス・ネリについても触れておこう。

もはやダーティーなイメージがつきまとうネリだが、コアなファンからは井上との試合を期待されている。

個人的にはネリに関してはベルト云々ではなく、ただただ完膚なきまでにマットに沈めて欲しいと思っている。

日本のボクシングファンも同じ気持ちではないか。

トップランクもこの手の選手には非常に厳しいため、実際に試合を組まれることはないだろうが、いずれにしても山中の敵を井上に取って欲しいと思ってしまうのは私だけだろうか‥。

まとめ

いずれにしても井上尚弥の拳には様々な期待・夢を乗せてしまいがちになるが、それでも我々ボクシングファンを常に熱狂させる結果を出してくれる。

現実的な路線としてはIBFが井上に対して1位挑戦者マイケル・ダスマリナス(フィリピン)との指名試合をオーダーする見通しで、まずはそれを優先させなければならない可能性もある。

しかし、そこは井上尚弥をプロモートするトップランクが”剛腕”で、ファンを熱狂させるマッチアップをしてくれるだろう。

だれもが井上と対戦したいと願う中、水面下でさまざまな交渉が始まりそうだ。

2021年、いったい井上はどこまで昇り詰めるのだろうか。
一寸たりとも目が離せない。

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